Trekstovと大きいBushbuddy

ブッシュバディ・ファンとして我慢できなくて

新しいウッドストーブは買わないつもりでいたのに、激レア品と出会ってしまいつい購入してしまいました。それも2台も。ただし新しい型のストーブではなく古いものです。小さい焚き火を楽しむのが目的でウッドストーブを買っているのですが、この2台は貴重過ぎて使えません。困りました。
一番大きいストーブ（写真左）は恐らく試しに火入れをしただけの美品。もう1台の大きいブッシュバディみたいなストーブ（写真中）はなんと未使用品です。サイズ比較のために愛用のブッシュバディ・レギュラー（写真右）を並べてみました。

ストーブの入った木箱はまぎれもなく・・・

「BUSHBUDDY COOKSTOVE」「TREKSTOV」と書かれたラベルが貼られた二つの木箱はまぎれもなく、あの有名なブッシュバディの木箱です。フリッツ・ヘンデル製作のストーブはずっと木箱入りで、単なるパッケージを超えた魅力がありますよね。木箱にした理由は段ボール箱代の節約だったそうです。
ちなみに、現在のアラスカの弟子は製作方法などかなり忠実に再現しているのに、出荷は段ボール巻きで木箱が受け継がれていないのは残念。

大きいブッシュバディは何者か？

大きいブッシュバディみたいな外見ですが、偽物でもラージサイズ版でもありません。ブッシュバディの旧型になります。何とこれは未使用品。底面にはBUSHBUDDYの刻印があり、本体はステンレス製で底面だけアルミ製で分離できます。このモデルは国内でも販売されていたので、ご存じの方も多いかと思います。

Trekstovとは何者か？

このTrekstovというオズの魔法使いのブリキの木こりのようなストーブは何者でしょうか？正体はブッシュバディのもともとの名称であり、もともとのモデルです。二次燃焼ストーブでステンレス製ですが底面のみアルミが使われています。アンティークのような感じですけど、2002年の発売ですからそれほど古いものではないんです。以前に所有していた方は個人輸入で入手されたようです。

Trekstovは色々あってBushBuddyに

底面にTREKSTOVの刻印があります。ブッシュバディの製作者であるフリッツ・ヘンデル氏は2002年にこの二次燃焼ウッドストーブを販売しました。色々あってブッシュバディという名称になるわけですが、説明するとすごく長くなるのでフリッツ・ヘンデル氏のインタビュー記事を参照してください。
「Interview: Fritz Handel From BushBuddy」で検索すると記事が出てきます。ブッシュバディに興味があるなら必見です。
※Hiking in Finlandの2009年11月の記事です。

ブッシュバディの進化がわかる

旧型ブッシュバディとTrekstovはどちらも3分割式になっています。この2台を並べるとかなり改良されているのがわかります。まずは火床はステンレスの穴空きからワイヤーへと変更されています。五徳の周囲に空気穴が追加されたのも、燃焼に影響があってのことでしょう。こういう進化の過程が見えるのは興味深いですね。

地面を焦がさない底構造も進化

ブッシュバディがすごいのは二次燃焼だけではありません。地面を焦がさないことを目的に底部の構造が工夫がされていることなんです。現在では地面への熱の影響が問題視されていますが、当時は火床が無いウッドストーブがいくつも存在している時代ですから、革命的な発想といえます。もともとファン式のシェラストーブを電源無しで作れないかということがストーブ開発のスタートで、地面への熱の影響についてもシェラストーブを目指したとのこと。
この古い2台のストーブは底が取れるので構造が見えます。古いTrekstovは底面を外すと火床が丸見えで、旧型は底面と火床の間にステンレス板があり、より熱が地面に伝わりにい構造になっています。

3パーツを合体するとコンパクトに

3つのパーツを合体させるとかなりコンパクトになります。進化する度にステンレス板が薄くなり軽量になっています。旧型はスノーピーク・トレック1400にすっぽり収まり、携帯性も向上してますね。
その後、要望があったことでより軽くコンパクトでスノーピーク・トレック900に収まる現在の“ウルトラライト”が誕生し、大きいモデルを廃盤にして、小型の“レギュラー”が作られたという流れのようです。
ブッシュバディ・ファンとしてこの古い2台を入手でき、進化の過程を直接見ることがきたことは本当に夢のようです。